うつ病になる人は年々増えていると言われており、厚生労労働省の調査では、日本の潜在的なうつ病患者の人数は600万人を超えると言われています。
うつ病患者の中でも、最近増え始めていると言われているのが「非定型うつ病」と呼ばれるニュータイプのうつ病です。
「非定型うつ病ってどんな病気?」では、専門家でも理解が不十分とも言われている「非定型うつ病」とは、どんな病気なのか?その症状や治療法などを紹介していきます。
第51回は、「非定型うつ病 回復のポイント ⑧ マインドフルネス『腹式呼吸』」の続き、「非定型うつ病 回復のポイント ⑨ マインドフルネス『瞑想』」をみていきます。
非定型うつ病 回復のポイント ⑨ マインドフルネス『瞑想』
アメリカでは精神療法として「瞑想」が盛んにおこなわれています。
そのベースとなっているのはマインドフルネスです、
その効果の高さは、世界中で注目されるようになってきています。
研究でわかってきた瞑想のさまざまな効果
マインドフルネス瞑想は、仏教の思想と西洋の心理学を結合して開発された精神療法です。
瞑想がストレス性の障害に効果があることは、アメリカでは以前から知られていましたが、マインドフルネスの考え方を取り入れたストレス緩和、リラックス集団療法では、治療効果が証明されており、その効果は認知行動療法に匹敵するものといわれています。
また、瞑想をすることにより前頭葉に血流が良くなること、瞑想を長年続けると大脳皮質の体積が増加して加齢による変化が少なくなることもわかっています。
マインドフルネスでは評価や判断をしない
「いま」この瞬間に注意を向けて集中するマインドフルネスは、感じた感覚について
- 「正しい・誤り」
- 「すべき・すべきでない」
- 「よい・わるい」
といった評価や判断を加えません。
人は誰でも意識することなく、感じたことについて「可愛い」とか「難しそう」といった評価・判断をしているのですが、そのことによって嫌な気分や不安な気持ちになるなど、時に悪い影響を受けてしまうのです。
瞬間の感覚をあるがままに感じ取り、受け入れていくのがマインドフルネスの考え方です。
その考え方を身につけることは、不安やうつの症状を軽減させたり、あがりやすい、緊張しやすい、といったさまざまな心の悩みの改善にもつながります。
マインドフルネス瞑想には、
- 座って行う瞑想
- ヨーガ瞑想
- 食べる瞑想
- ボディスキャン
- 歩行瞑想
などがあります。
瞑想により深いリラクセーションを得て、ストレスを解消していきましょう。
はじめのうちは、うまくいかないかもしれませんが、続けるうちにリラックスできるようになっていきます。
「リラックスしよう!」とは考えず、ただ「いま」の瞬間に注意を向けることが大切です。
次回、「非定型うつ病 回復のポイント ⑩ マインドフルネス『座る瞑想』」へ続く