
皆さんは何かに「ハマった」経験はありますか?
スマホのゲームやSNSに熱中してつい夜更かしをしてしまった。
パチンコで今月の小遣い全部使ってしまった、などなど…。
人は何かしらの「モノ」や「コト」など、「ハマった」経験があると思います。
ただ、中にはその「ハマる」が度を超してしまう場合があります。
それが、いわゆる「依存」。
「依存」により社会生活に支障が出ている状態を「依存症」といいます。
「依存症ってどんな病気?」では、依存症とはなにか、回復するためにできることなどについて、詳しく解説していきます。
第15回は、「市販薬・市販品」の続き、「行為への依存…ギャンブルとネット・ゲーム」についてみていきます。
目次
借金問題をかかえやすいギャンブル依存
ギャンブルは依存性薬物を使用したときのような脳の変化を生じさせます。
コントロールが効かなくなり、多額の借金を抱えるようになることも少なくありません。
周囲を巻き込む大問題が起きやすい
日本は世界的にみるとギャンブル依存症の人がかなり少ない国で、ギャンブル依存症が疑われる人の場合は、欧米の数倍といわれています。
合法公営ギャンブルや、実質的にはギャンブルの一種であるパチンコ、スロット店の多さが、日本のギャンブル依存症を増やす一因になっています。
多額の借金など、周囲を巻き込む大きな問題が生じやすいのがギャンブル依存症の怖さです。
予算や時間制限し、勝っても続けない、負けたら「ついてない」と考えてしばらく控える…それができないようなら、専門機関での相談をしましょう。
ギャンブルの特徴
法律で「ギャンブル」とされるものは一定の行為に限られますが、一般的には金品などを賭けて勝負に挑み、勝てば利益を得られ、負ければ損失を被る行為全般を指します。
報酬系の働きを強化する
ギャンブルは、物質依存と同様の変化を起こす依存的な行為として、最初に認められたもの。
報酬系が強化され、強い精神依存が生じやすくなります。
ギャンブル依存症は、医学的には「ギャンブル障害」といわれます。
- 基本的には負けることの方が多いが、勝てれば快感を得られる
- 「もう1回!」が止まらず、勝ったり負けたりを繰り返す
- 勝っても次第に満足できなくなり、エスカレートしていく
やめようとしてもやめられない!
「ギャンブル」とされる行為はいろいろ
違法な賭博や、公的に運営される合法のギャンブル(公営ギャンブル)については、法律の定めがあります。
法的にはギャンブルではなく「遊戯」とされるパチンコやスロットも、広い意味ではギャンブルの一種です。
- 公営競技(公営ギャンブル)競馬、競輪、競艇、オートレース…
- 遊戯…麻雀、パチンコ、スロット
- 投機…先物取引、FXなど
- その他…宝くじ、オンライNギャンブル、カジノでの賭博行為など
愛好家か?依存症者か?「LOST」でチェック
直近1年間のギャンブル経験を振り返って考えてみましょう。
自分では趣味の範囲のつもりでも2つ以上当てはまることがあれば、依存症の疑いありです(ギャンブル依存症問題を考える会)。
- Limitless(いくらでも)…ギャンブルするときは予算や時間の制限を決めない、決めても守れない
- Once again(もう一回!)…ギャンブルに勝ったら「次のギャンブルに使おう」と考える
- Secret(こっそりと)…ギャンブルしたことを誰かに隠す
- Take money back(取り返してやる!)…ギャンブルに負けたときにすぐに取り返したいと思う
「買い物依存症」の金銭問題に発展しやすい
買い物がストレス発散法という人は、比較的女性に多いようです。
家庭生活、とりわけ夫への不満や怒りから、自分えも気づかないうちに家計にダメージを与えるような買い物を繰り返す人もいます。
疾患としての実態は明らかではありませんが、生活が破綻し、周囲を巻き込むような状態になているのであれば、「買い物依存症」として対応していく必要があります。
ネット・ゲーム依存の裏にも「つながり」への渇望が…
ゲーム、特にインターネトを利用して、他のプレイヤーとともに行うゲームへのいちじるしい依存は、「ゲーム障害」という病気としてとられられるようになってています。
やめられない背景にはしんどさがあることが多い
若い世代では、喫煙や飲酒、薬物などに依存する人は減る一方で、ゲームに夢中、食事中もスマホやタブレットを手放せなくて困るという家族の声は増えています。
多くは一時的にはまってもいずれは落ちついていくものです。
頭ごなしに禁止するより、適切な付き合い方を家族で話し合い、決めていけばよいでしょう。
ゲームするためには、昼夜逆転の生活になり、学校や職場に行けなくなるような場合、リアルな生活で、何かしら問題を抱えていることが少なくありません。
やめられない背景に何があるか知り、対応していくことが必要です。
「ダメなものはダメ」という対応では、背景にある悩みを話す機会はなくなりますし、本人はオンライン上で見つけた仲間との繋がりを奪われまいと、全力で、隠れてするようになるだけです。
ネット・ゲームの特徴
ゲーム目的のインターネット利用は、依存的な使い方になりやすい面があります。
ゲーム以外の用途でも、過剰使用に陥ることはあります。
日常生活に欠かせない面もある
インターネットや。スマートフォン(スマホ)や、パソコンなどの機器、ゲームをはじめとする種々のコンテンツは、現在の生活に欠かせないものとなっています。
使用ゼロを目指すのは現実的ではなく、また、たんに利用時間が長いというだけで、悪い依存とはいえません。
「問題」の線引きが難しい
国際的な診断基準では、インターネットゲーム(オンラインゲーム)、もしくはオフラインを含めたゲームに対する依存については、障害と判断する基準を示しています。
ゲーム目的以外でのインターネット利用、スマホの利用については、日常的な行為と、依存的な行動としてとらえるべき問題行為との境界があいまいです。

リアルでなくても繋がれる
実際に会わなくても他者とのつながりを得やすい点は、インターネットを利用するメリットの一つです。
「ここ」なら承認される
複数のプレイヤーが参加するゲームなどでは、熟練するにつれ賞賛を得やすくなります。
リアルな世界で満たされない
学校や職場、家庭などで居心地が悪い、リアルな人間関係がうまくいかない場合、ネット空間でのつながりに依存しがちです。
依存的な利用のしかたになりやすい
ゲームそのものの面白さや達成感、リアルな世界での嫌なことを忘れられるという以上に、他者からの承認が報酬となります。
自傷行為や摂食障害も依存症としての側面が
違法・合法を問わず薬物を乱用する人のなかには、自分の体を自分で傷つけたり、過食しては吐き戻したりと、あえて自分から苦しみを背負うような自己破壊的な行動を繰り返す人が少なからず存在します。
その傾向は女性の方がより顕著で、特に虐待や性被害、DVなどのトラウマ体験をもつ人の割合が高いともいわれます。
トラウマ体験時の記憶は、普段は忘れていてもふとした瞬間に現れ、「そのとき」の感覚や感情をよみがえらせます。
そんなとき、自傷や過食嘔吐など、自分でコントロールできる苦痛は、「今」にとどまるために役立っている可能性があります。
自己治療的に繰り返される行為であるという点で、自傷行為や過食嘔吐をはじめとする摂食障害は、依存症としての側面があるといえます。
短期的には生き延びるために役立つ行為だとしても、長期的には健康に害をもたらすばあkりか、自殺理宇くを高めたりもします。
とはいえ、「そんなことをするな」と止めようとするだけでは止まるものではありません。
依存的な行為の背景にあるものへの対応を進めていく必要があるのです。
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次回、「治療と回復」へ続く。
