
皆さんは何かに「ハマった」経験はありますか?
スマホのゲームやSNSに熱中してつい夜更かしをしてしまった。
パチンコで今月の小遣い全部使ってしまった、などなど…。
人は何かしらの「モノ」や「コト」など、「ハマった」経験があると思います。
ただ、中にはその「ハマる」が度を超してしまう場合があります。
それが、いわゆる「依存」。
「依存」により社会生活に支障が出ている状態を「依存症」といいます。
「依存症ってどんな病気?」では、依存症とはなにか、回復するためにできることなどについて、詳しく解説していきます。
第31回は、「友人・知人ができること」の続き、「予防教育を考える…予防教育の現状」についてみていきます。
予防教育を考える…予防教育の現状
依存症は、未然に防げればそれに越したことはありません、
そのため、特定のものや行為だけに頼らない、「よい依存のしかた」を伝えます。
「悪いことうをしてはダメ」という道徳教育にかたよることのない、リスクの高い子どもに届く予防教育が必要とされています。
現在、小中学校で行われている薬物乱用防止を目的にした教育は、必ずしも依存症への理解を深めるものとはいえません。
むしろリスクの高い子どもを追い詰めてしまうおそれもあります。
脅しの予防教育で威嚇効果をねらう
小中学校や高校では、通常授業のなかで依存症物質について取り上げるとともに、「薬物乱用防止教育」が広く実施されています。
とくに特別授業として定期的に行われている薬物乱用防止教室は、、国が進める「薬物乱用防止五か年戦略」に基づき、「児童生徒に薬物の危険性を強く印象ふける効果」をねらうものです。
教材では、薬物乱用の結果、薬物依存症に陥った人は、やつれきって錯乱状態にあるかのように描かれているのが定番です。
こうした、いわば脅しの予防教育が、刑罰による威嚇の効果を高め、初回使用のハードルを上げている面があります。
しかし、すでに依存症薬物を使用したことがあったり、身近に使用者がいたりする子どもは白々しい嘘に聞こえ、
という思いを強めるだけです。
「立派な大人」に対する不信感へと繋がりがちです。
現状は2本立て
教育現場での依存症予防教育は、保健体育などの授業でおこなわれるものと、違法な薬物の乱用防止を目的にした特別授業の2本立てで進められています。
一般教科の授業
保健体育の授業内で、喫煙、飲酒、薬物乱用が及ぼす心身への悪影響を教えたり、道徳の時間によからぬ誘いに対する上手な断わり方を考えさせたりするなど、学習テーマのひとつとして、依存症や薬物乱用の問題があげられています。
特別授業としておこなわれる薬物乱用防止教室
警察職員や麻薬取締官OB、学校薬剤師など、外部講師を招いておこなわれる特別授業は、犯罪として取り締まる側からの視点から「一度でも使えば、恐ろしいことになる」という論調で進められます。
大半の子どもは「絶対してはいけないことと思う
子どもの多くは、「これはマズい。手を出したらダメだ」という思いを強めますが、それはもともとリスクの低い子どもといえるでしょう。
リスクが高い子どもは「使いたい人は勝手に使えばいい」と考える
中高生における大麻の生涯経験率は0.3%と言われます。
計算上は300人に一人ほどは経験済みというわけです。
未経験であっても、薬物乱用のリスクが高いと考えられる子どもはさらに多くいます。
彼らが実際に目にする経験者の多くは、むしろかっこよくて面倒見のよい人です。
しかも、初回の使用は拍子抜けに終わることが多いのです。
「嘘を教える大人」への不信感は募るばかりです。
薬物乱用・薬物依存症のリスクを高めると考えられる要因
- 自傷経験(中高生の約1割は故意に自分を傷つけたことがある)
- 早くから飲酒・喫煙の経験がある
- 市販薬を乱用したことがある
- 身近な知り合いに、違法薬物を使った人がいる
- 違法薬物使用の誘いを受けた経験がある
- 親がアルコールや薬物、ギャンブルなど依存症関連の問題を抱えている
「ほっとけよ。うるせーな…」
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次回、「『犯罪』を強調する弊害」へ続く。
