
皆さんは何かに「ハマった」経験はありますか?
スマホのゲームやSNSに熱中してつい夜更かしをしてしまった。
パチンコで今月の小遣い全部使ってしまった、などなど…。
人は何かしらの「モノ」や「コト」など、「ハマった」経験があると思います。
ただ、中にはその「ハマる」が度を超してしまう場合があります。
それが、いわゆる「依存」。
「依存」により社会生活に支障が出ている状態を「依存症」といいます。
「依存症ってどんな病気?」では、依存症とはなにか、回復するためにできることなどについて、詳しく解説していきます。
第30回は、「家族自身のケア」の続き、「友人・知人ができること」についてみていきます。
友人・知人ができること
家族ではないけれど、友人、知人、職場の同僚など、身近な人の様子に気がかりな点がある、というときは、ぜひ声をかけてみてください。
心配している、と率直に伝えてみる
友人、知人、職場の人などの様子が気がかりだが、家族ではないし、どこまで踏み込んでいいか分からない、個人の問題だから仕方がない、などと距離を置いている人も多いかもしれません。
しかし、気になっているのなら、
というその気持ちを率直に伝えてみるとよいでしょう。
仕事などにも支障が出て、その不始末をカバーしなければならなくなってくるようなら、もはや無関係とはいえません。
専門機関にも相談しながら、対応にあたりましょう。
家族でなくてもできること
本人が家族と疎遠である場合、友人、知人の立場にある人のほうが、本人の変化に気づきやすいことも多いものです。
放っておかず、話を聞いてみてください。
変化に気づいたら声をかける
気がかりな様子があれば、「調子はどう?」などと言葉をかけてみましょう。
- なんとなく様子がおかしい
- お酒に酔うと、人が変わったようになる
- 仕事の面でトラブルになることが増えた
- 「お金を貸して欲しい」などと言われる
など
話を聞く
依存症の人、依存症になりやすい人は、えてして弱音を吐くのが苦手です。
それでも「話を聞く」という姿勢を示し続けていれば、、話せることもあるかもしれません。
本人の話を否定せず、共感的に聞けるとよいでしょう。
自分の意見を伝えたいときは、「適切に関わる」の注意点をふまえて話すようにするとよいでしょう。
専門機関への相談は本人・家族でなくても可能
職場の関係者や友人、知人といった立場でも、精神保健福祉センターなどは相談はできます。
自助グループで話をきいてみることもできます。
応援する
自助グループや回復支援施設の利用を考えている人に、「そんなところに行かなくても意志を強くもてば大丈夫!」などといった無責任な発言はしないこと。
本人の取組を否定せず、続けられるように応援しましょう。
家族と対するときも基本は変わらない
依存所本人ではなく、家族やパートナーなどの依存症に悩んでいる人と話すときも、相手の話を聞くという姿勢でのぞみましょう。
支援者でも家族会の仲間でもない、自分の友人に対して話し手が戻藻ているのは具体的なアドバイスではなく、愚痴を聞いてほしいということでしょう。
つらくならない程度に聞き役を務めてみてください。
試さない
アルコール依存症に限らず、依存症の治療を始めた人は断酒しようとしていることがあります。
本人が「お酒はやめている」というなら、決して試すような真似をしないようにしましょう。
安心して弱音を吐ける関係が最大の支えになる
愚痴を言えるようになると状態は安定しやすい
ものや行為の頼る人は、基本的に弱音を吐くのがうまくありません。
本当は傷ついたり、落ち込んだりしていても、愚痴をこぼさずに踏ん張り続けようとします。
しかし、心のモヤモヤは、頑張れば消せるというものではありません。
それでも人に頼らない、頼れないから、特定のものや行動に頼りきりになりやすいのです。
弱音を吐けないのは、それまでの人生経験も影響していいるので、いきなり「愚痴りなさい」と言われてもできるものではないですが、それができるようになると状態は安定してきます。
依存症の治療を受けにくる患者さんの話は、初めのうちこそ、
「どうすればやめられるか」
などといった、依存症そのものについての話題が多いですが、長く通ううちに、うつ病などで受診される患者さんと変わらなくなってきます。
「こんなことがあって…」
などと、ごく一般的な泣き言や愚痴を言える治療関係ができてくるころには、依存症は落ち着いていること多いです。
人に依存するのは、決して悪いことではありません。
むしろ安心して弱音を吐ける関係があるからこそ、健康的で自立した生活を送れるのです。
愚痴を言う、その愚痴を、
「自己責任だ」
などと言わずに耳を傾ける。
そうしたことができる関係が広がっていけば、ものや行為に依存することなく過ごしやすくなっていくことでしょう、
----------
次回、「予防教育を考える…予防教育の現状」へ続く。
