
皆さんは何かに「ハマった」経験はありますか?
スマホのゲームやSNSに熱中してつい夜更かしをしてしまった。
パチンコで今月の小遣い全部使ってしまった、などなど…。
人は何かしらの「モノ」や「コト」など、「ハマった」経験があると思います。
ただ、中にはその「ハマる」が度を超してしまう場合があります。
それが、いわゆる「依存」。
「依存」により社会生活に支障が出ている状態を「依存症」といいます。
「依存症ってどんな病気?」では、依存症とはなにか、回復するためにできることなどについて、詳しく解説していきます。
第20回は、「回復のためのプログラム」の続き、「プログラムで学ぶこと」についてみていきます。
目次
プログラムで学ぶこと
治療・回復プログラム、スマープ(SMARPP)への参加を続けながら、「今日一日だけやめる」という日を重ねていきましょう。
それが回復に繋がっていきます。
必要なのは強い意志より賢さ
依存症からの回復は、依存してきた特定の物質や行為をやめ続けているうちに実現するものです。
しかし、強い意志で依存対象を断つという発想は、しばしば回復を妨げます。
自分の強さを確かめようと、あえて危険な状況に身をさらすような行動に繋がりやすいからです。
やめ続けるために必要なのは強い意志ではなく、再発しやすい状況に気づき、それを避ける賢さです。
繰り返したい気持ちが高まったとき、「今日一日だけは、やめておこう」と、少しだけ先延ばしにしながら、積み重ねた日々が、回復の歩みとなるのです。
学びのポイント
スマープでは、「SMARPP-24 物質使用障害治療プログラム」など、専用のワークブックを使いながら、次のようなことを学んでいきます。
依存症そのものについての知識
依存対象となっているものの危険性や、依存症という病気そのものについて、どんな影響があり、どのように回復していくかなど、綜合的な知識を身につけます。
引き金を知る
それが欲しい、したいという強烈な欲求を引き起こす刺激を引き金(トリガー)といいます。
HALTの他、各人が自分の体験を振り返り、自分の引き金を特定していきます。
- それをしたくなる状況(人、場所、もの)
- それをしたくなる気持ち
錨を探す
「この状態はさすがにできない」「する気にならない」などということもあったはず。
自分にとって、船の錨(アンカー)の役割を果たしてきたものは何かを探していきます。
引き金がひかれそうな時の対処法を学ぶ
自分の経験を振り返るだけでなく、仲間の経験を聞くのも参考になるでしょう。
- 自分にとって錨の役目を果たしてくれている人と話す、過ごす
- 自助グループのミーティングに参加する
- スケジュールを立て直す
前兆に気づく
実際に再発が起こる前には、行動や思考パターンに変化がみられることが多いもの。
これらを「再発の前兆」ととらえます。
この段階で、「最近、ちょっとまずい」と正直に言える場をつくっておくことは大切です。
依存症的行動
無駄遣いが多くなる、約束を守れなくなる、性行動が変化する、など、「それ」をしていないだけで、あとは以前と同じような行動パターンになる
依存症的思考
「やり直そう」という気持ちが薄れ、「やめてもいいことはなかった」「たまにはいいだろう」などという考えが強くなってきたら要注意
大切なのは参加し続けること
プログラムに参加していても再発はしばしば起こります。
という気持ちになりやすいのですが、参加し続けることは重要です。
厚生労働省科学研究班の調査では、途中までは再使用を繰り返しながらも、9カ月以上参加し続けることができれば、ほとんどの人は薬物などの再使用が止まると報告されています。
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次回、「自助グループ・回復支援施設」へ続く。
