
皆さんは何かに「ハマった」経験はありますか?
スマホのゲームやSNSに熱中してつい夜更かしをしてしまった。
パチンコで今月の小遣い全部使ってしまった、などなど…。
人は何かしらの「モノ」や「コト」など、「ハマった」経験があると思います。
ただ、中にはその「ハマる」が度を超してしまう場合があります。
それが、いわゆる「依存」。
「依存」により社会生活に支障が出ている状態を「依存症」といいます。
「依存症ってどんな病気?」では、依存症とはなにか、回復するためにできることなどについて、詳しく解説していきます。
第25回は、「薬物乱用と刑罰」の続き、「まわりの人ができること…起こりやすいこと」についてみていきます。
まわりの人ができること…起こりやすいこと
依存症の問題は、なにかトラブルが生じて初めて表面化することが多いものです。
本人だけにとどまらず、家族をはじめ身近な人も巻き込まれやすくなります。
また、依存症は「家族の病」でもあります。
家族の誰かが依存症になると、本人だけでなく家族の心理状態や行動にも変化が生じます。
通常、その変化は事態を改善する方向には働きません。
家族がする後始末は本人の回復を遅らせる
依存症によって生じる本人の心身に起こる変化は、行動の変化に繫がりやすく、二次的に様々なトラブルを生じさせます。
こうした依存症の二次的な問題に苦しむのは、たいていの場合、本人よりも家族をはじめとするまわりの人です。
なにか問題が大きくなるであろうということは目に見えています。
家族としては世間体が気になるでしょうし、他の家族への影響も心配でしょう。
それを避けるために、本人の代わりに謝る、借金の返済を家族が肩代わりする、本人の替わりに職場に連絡を入れるなど、なんとか取り繕おうとします。
しかし、トラブルを解消すれば、「また、できる」と考えるのが依存症の思考パターンです。
そして、実際に行動に移し、やめられない状態が続くのです。
依存症がまねく二次的な問題
依存症がもたらす二次的な問題で苦しむのは、依存症を患う本人よりも、むしろその家族です。
社会生活上の問題
- 仕事や学校をサボる
- 仕事を失う、退学を迫られる
- 借金を重ねる
- 飲酒運転などの事故を起こしやすくなる
- 逮捕されるおそれがある
家族関係の問題
- 家族の一員としての役割を果たせなくなる
- DV(家庭内暴力)が増える
- 家族の心身の健康が損なわれる
恥じ気持ちや、自責の念を強めることも
家族には、本人の様子を恥じる気持ちが生じがち。
「家族関係がうまくいっていないせいだろうか」
などと、自責の念にさいなまれることもあります。
対人関係の問題
- 人付き合いが悪くなる
- けんかなどのトラブルを起こしやすくなる
- 交際範囲が変わる
本人自身の問題
- 心身の健康が阻害される
- 性格が変わったように感じられる
本人が感じる本人の変化
- 感情の起伏が激しくなった
- 嘘をつくことが増えた
- それについて尋ねると不機嫌になる
- 指摘すると開き直る
- 大声を出したり暴れたりする
- 身体的な問題が生じている
など
「秘密」は依存症を悪化させる温床
「家族が依存症だ」と認めることは、たやすいことではありません。
「自分が責められる」
などという気持ちから、世間には本人の問題を隠し、秘密にしようとします。
しかし、秘密は依存症悪化の温床になります。
家族の中だけで解決しようと頑張ると、依存症は悪化していきます。
疲れ切った家族の様子に、
と思うことはあっても、その思いだけではやめられないのが依存症です。
とエスカレートしていきます。
本人の状態が悪化すれば、なおいっそう家族は、
という思いを強めます。
それがまた本人の依存を悪化させるという悪循環に陥りやすいのです。
どこの家庭でも起こりやすいこと
気がかりな様子があったとしても、初めから「依存症だ」とは考えにくいものです。
そのうちなんとかなると思っているうちに、どうにもならない事態に陥りがちです。
見過ごす
気づかないこともありますし、気づいても「この程度は仕方ない」と、あえて問題視しないことも。
見過ごせない事態が生じる
依存の程度がエスカレートしていくにしたがい、さまざまな問題が生じやすくなります。
「やめさせなければ!」と方針転換
事態の収拾をはかりつつ、依存的な行動をなんとかやめさせなければ、と考えるようになります。
やめさせるための努力をする
あの手この手でやめさせようとしますが、家族が必死になればなるほど、本人は追い詰められたように感じ、むしろ依存的な行動は増えていきます。
- 説教…「こんなに悪い影響があるのだから、やめるべきだ」
- 叱責…「いい加減にしろ!」
- 罰…「やめなければ縁を切る!」
- 泣き落とし…「お願いだから…」
失敗する
一時的にやめることはあるかもしれませんが、家族の中だけで解決しようとすると失敗します。
焦り・怒り・恨めしさが募る
今度こそはと期待して裏切られるといったことを繰り返すうちに、本人に対する感情が悪化します。
やめさせること以外に目がいかなくなる
どうすればやめてくれるのか、なぜやめないのか、という考えで、いっぱいになり、他に目が向かなくなります。
二次的な問題への対応に追われるうちに、無力感、自責の念が強まったりします。
知られたくないから接触を断つ
家族の状況を知られたくないから人付き合いを減らします。
「自分たちが責められるだけだ」などと考え、相談もできません。
家族丸ごと孤立していく
次第に地域社会からも孤立し、状況は悪化するばかりに…。
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次回、「相談先」へ続く。
