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自己肯定感を高めて人生をもっと楽に!【18】 ~【自己決定感】…自分で決定できるという感覚~

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突然ですが、あなたにとって「幸せ」とはなんですか?

  • お金持ちになること
  • 玉の輿にのること
  • 幸せな結婚をして子供を育てること
  • 大きな会社に入って安定した職があること
  • 商売やスポーツで大成功して有名になること

これらの目的は達成すると嬉しいものです。

しかし、「自己肯定感」が低いと、これらの目的を達成しても幸せを感じられません。

一次的には嬉しいかもしれませんが、喜びが長続きしないのです。

「自己肯定感を高めて人生をもっと楽に!」では、自己肯定感とうまく付き合う方法を身につけ、幸せな毎日を過ごすための方法をご紹介していきます。

第18回は、「【自己信頼感】…仕事のプレッシャーに耐えられない」の続き、「【自己決定感】…自分で決定できるという感覚」を解説していきます。

【自己決定感】…自分で決定できるという感覚

あなたは自分の人生をどのくらいコントロールできています?

こんな質問を受けたら、あなたはなんと答えるでしょうか?

人間が感じる幸福度は、「私が決めた!」という「人生を自分でコントロールできている感覚」に比例することが分っています。

それも、自分自身が成長していると実感できる方向に人生のコントロールができている時、人は最も幸せを感じるといいます。

このコントロールできている感覚と、【6つの感】の一つである自己決定感は深く関係しています。

自己決定感は、自分で主体的に決め、それを出来るという感覚で、これが十分に得られていると、やる気が高まった状態を維持できます。

あなたらしい人生を切り開き、花を咲かせるには、物事を自分で決めて歩んでいくことが欠かせません。

選択すること。決めること。それらを司る自己決定感は、「自己肯定感の木」の「花」にあたります。

花が咲き、実がなることで、あなたの人生も次のステージへ進んでいくからです。

2018年に神戸大学が2万人を対象に行った研究では、自己決定感の高い人は人生の幸福感も高い、という結果が出ています。

この研究では、本人の自己決定度を評価するにあたって、

  • 中学から高校への進学
  • 高校から大学への進学
  • 初めての就職

を基準に採用し、アンケートでは、社会に向かう節目での選択で

  • 自分の意志で進学する大学・就職する企業を決めたか否か

を尋ねました。

自分の意志で主体的に進路を決定した人は、その後の人生でも自らの判断で努力し、目的を達成する可能性が高くなり、成果に対しても責任と誇りを持ちやすくなっていきます。

それが、結果的に自己肯定感を強くし、幸福感を高めることに繋がっていきます。

「私が決めた!」という自己決定権をどれだけ多く経験し、乗り越えたかで、人生の幸福度の高低が決まってくるのです。

「自分で決めて失敗」と「相手にやらされて成功」では、より嬉しいのは自分で決めて成功した時です。

近年、「人は人。自分は自分」という感覚や、感情そのものが表出できない失感情の若い世代が増えているといいますが、これは自己決定感の不足が大いに関係しています。

感情とは感じて動くこと。

自分で感じて動いた方がより大きな感動を得る事ができますし、結果がどうであれ、自己決定した結果が、より大きな幸せを感じさせるのです。

自分で決めたら、幸福度が増していく

また、自己信頼感が高まると直感力が磨かれます。

直感による選択や決定の正しさは、複数の心理学の研究によって裏付けられており、例えば、イスラエル大学が行った研究では、シンプルな選択においては、90%の確率で直感が的中する、という結果が出ているほどです。

また、孫正義氏が実践している「ファーストチェス理論」では、5秒考えたチェスの一手と、10分考えた一手の86%が同じ手になることが分かっています。

つまり、長い時間をかけて下した決定と、直感の間には大きな差はない、ということなのです。

「決―めた!」と主体的に決断したことを実践して、「ほら、うまくいった」という経験は、その後も直感的に決断を下すことを後押しし、私たちの行動力を高めます。

すると、即断即決できることで試行回数が増えます。

結果的に成功回数も増えていき、次のチャレンジに対する恐れも少なくなります。

これが、自己信頼感と自己決定権のポジティブな正のループです。

逆に、自分で主体的に物事を決めたり実行する場面が減って、自己決定感が低下すると、周囲への依存度が増します。

会社で働いている人なら、上司や先輩、取引先の意向を優先するようになり、人に決めてもらったことを実行するため、「失敗しても上司のせい」「うまくいかなかったら取引先が悪い」と、他責的になってしまいます。

親子関係であれば、親の顔色をうかがいながら日々の生活を送るようになり、進学や就職といった人生の大きな選択を親の意見にだけ従うようになり、そこから先も自己決定権を欠いたまま進んでいくことにもなりかねません。

依存的、他責的な態度が定着してしまうと、「誰かに聞かないと…」「確認しないと…」と、他人の決定に従うのが当たり前になり、いざ何かを決断しなければならない局面になった際、同じところで足踏みを続けることになり、同じ人生の負のループを繰り返すことになります。

心理学の世界では、モチベーションという言葉は「動機づけ」とも言われます。

動機づけには、大きく分けて「内発的動機づけ」「外発的動機づけ」の2種類があります。

「内発的動機づけ」は、「好きだから練習する」「楽しいから練習する」と、自ら主体的に活動している状態で、自分が好きだから楽しくプレーしているため、高いモチベーションで練習したり、試合に臨むことができます。

一方、「外発的動機づけ」は、「コーチにやれと言われたから」「練習しないと試合に出してもらえないから」と、目的を達成するための手段として練習に臨んでいる状態で、プレーしていることに変わりはないのですが、「内発的動機づけ」に比べるとモチベーションは低い状態になります。

人生を楽しむためには、「内発的動機づけ」が欠かせません。

「自分に〇」を付けるためには、「私が決めた!」「ワクワクするからやるんだ!」という感覚が必要になるのです。


 
次回、「【自己決定感】…結婚か昇進か、自分がわからない!」へ続く


 

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