うつ病 お役立ち記事 非定型うつ病

非定型うつ病ってどんな病気?【26】~パニック症とうつ病はきってもきれない関係~

投稿日:

うつ病になる人は年々増えていると言われており、厚生労労働省の調査では、日本の潜在的なうつ病患者の人数は600万人を超えると言われています。

うつ病患者の中でも、最近増え始めていると言われているのが「非定型うつ病」と呼ばれるニュータイプのうつ病です。

「非定型うつ病ってどんな病気?」では、専門家でも理解が不十分とも言われている「非定型うつ病」とは、どんな病気なのか?その症状や治療法などを紹介していきます。

第26回は、「パニック症はなぜ起こるのか」の続き、「パニック症とうつ病はきってもきれない関係」をみていきます。

目次

パニック症とうつ病はきってもきれない関係

パニック症とうつ病は近い関係にあると言われており、併発することも多いのですが、その場合、やっかいなのは重症化しやすいことです。

症状が重くなると、性格変化も起こります。

うつ病を併発すると、パニック症が重症化する

パニック症とうつ病は、近縁関係にある病気といえます。

  • どちらの病気にも同種の薬が使われる
  • パニック症患者の家族には、うつ病の人がかなりみられる
  • パニック症の人の60%は、生涯のうち、いつかはうつ病を発症する

こういった特徴からみても、パニック症とうつ病は近い関係にある病気だと考えられるのです。

●大部分は非定期うつ病

パニック症に併発するうつ病は「パニック性不安うつ病」と呼び、普通のうつ病とは区別して考えます。

いわゆるうつ病(定型うつ病)ではなく、大部分は非定型うつ病の特徴を示すためです。

また、多少なりとも躁状態をともなう躁うつ病(双極性障害)を発症する人も20~25%みられます。

注意したいのは、典型的な非定型うつ病の症状があらわれず、軽いうつ状態が続くケースで、本人も周囲の人も、医者でさえも気づかないことがあります。

早期発見、早期治療がとても大切です。

●自殺の危険性が高まる

パニック性不安うつ病では、非定型うつ病の特徴である気分反応性や過眠、過食、鉛様麻痺などがみられますが、特に気を付けたいのが「不安・抑うつ発作」です。

パニック症は、他の精神疾患に比べて自殺は少ないとされていますが、うつ病を併発すると自殺の危険率はグンと高くなります。

リスタカットなどの問題行動が多くなるのは、この「不安・抑うつ発作」があらわれているときなのです。

●うつが招く「性格変化」

パニック症の人の人格変化は、うつ病を併発しそれが重症化したときに多くあらわれます。

パニック発作の不安や恐怖は、並大抵なものではなく、それが繰り返し起こると、心は休まる暇がなく、うつに陥ってしまいます。

そして、「拒絶過敏症」が高まり、あるラインを超えた時に、

  • 攻撃的になる
  • キレやすい
  • 自己中心的になる

などの性格変化があらわれると考えられています。

しかし、家族や周囲の人は、それが病気のせいだと気づかず、患者さんを疎んだり、憎んだり、厄介者扱いするケースもみられ、患者さんにとっては二重の苦しみになります。

●うつの多くは慢性期にあらわれる

うつ病は、パニック症の経過の中で、前駆期から急性期にかけてあらわれることがありますが、それほど多くありません。

多いのは、パニック症が慢性期に入ってからで、広場恐怖症や回避行動のためにできないことばかりで、生活を楽しんだり、物事に打ち込むエネルギーが少なくなり、うつ病を併発するケースです。

前駆期=軽い症状

最初のパニック発作が起こる前に、前触れのような症状が起こることがあります。

少し息苦しい、軽い動悸、めまい、意識が薄くなるような感じ、などごく軽い症状が、発作の数時間前から、半年前くらいからさかのぼってみられます。

急性期=パニック発作は頻発

急性期は、パニック発作が頻繁に起こります。

大半は、週に3~7回ほどで、重症になると、一日に何度も起こることがあります。

1週間に4回以上発作が起こり、その発作が4週間以上続く場合は重症と考えられます。

発作は慢性になると少なるなります。

慢性期=うつ状態が強くなる

発作が減ってきても、予期不安、広場恐怖症、回避行動は残り、やがてうつ状態やその他の不安症があらわれるようになります。

残遺症状(非発作性不安愁訴)

発病してから半年~数年が経過すると、残遺症状があらわれてきます。

はっきりとした発作ではなく、何となく調子が悪い状態が続きます。


 
次回、「社交不安症とはどんな病気か」へ続く


 

restart_banner



-うつ病, お役立ち記事, 非定型うつ病
-, , ,

Copyright© 障害者就職ナビ , 2024 All Rights Reserved.