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非定型うつ病ってどんな病気?【42】~非定型うつ病 回復のポイント ① 規則正しい生活リズム~

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うつ病になる人は年々増えていると言われており、厚生労労働省の調査では、日本の潜在的なうつ病患者の人数は600万人を超えると言われています。

うつ病患者の中でも、最近増え始めていると言われているのが「非定型うつ病」と呼ばれるニュータイプのうつ病です。

「非定型うつ病ってどんな病気?」では、専門家でも理解が不十分とも言われている「非定型うつ病」とは、どんな病気なのか?その症状や治療法などを紹介していきます。

第42回は、「認知行動療法の効果をあげる自律訓練法」の続き、「非定型うつ病 回復のポイント ① 規則正しい生活リズム」をみていきます。

目次

非定型うつ病 回復のポイント ① 規則正しい生活リズム

非定型うつ病の人にとって、毎日の生活リズムを整えることは、回復に繋がる重要ポイントです。

まず、病気のために不規則になっている睡眠や食事から見直してみましょう。

食事や睡眠の時間を決め、体内時計のリズムを整える

私たちの中には、日常の営みをコントロールしている時計があります。

毎日、同じころに眠くなり、一定の時間が経つと目が覚めたり、朝昼晩と同じ時間におなかがすくのも、体内時計のリズムにしたがって体の機能が働いているおかげです。

ただし、これは健康な人の場合です。

体内時計のリズムは、不規則な生活をしているとどんどん乱れていきます。

非定型うつ病の人は過眠が多くなりますが、眠りが浅いために寝足りず、ダラダラとベッドで過ごしがちです。

睡眠・覚醒のリズムが崩れ、昼と夜が逆転したような生活になっていき、うつ病の悪化にも繋がります。

体内時計は、自律神経やホルモン分泌などもコントロールしているため、このリズムが崩れると、自律神経やホルモンの働きもおかしくなります。

その結果、内臓の働きが悪くなったり、ストレスに弱くなる、疲れやすくなる、などの弊害が出てきます。

非定型うつ病の人は、毎日の生活リズムを「意識して」整えていかないと、体調はいつまでも良くなりません。

療養生活の最大ポイントは、「規則正しい生活」をすることなのです。

●睡眠と食事を一定の時間にする

体内時計は脳の視床下部というところにあり、目から入ってきて脳へ届けられる「光の信号」や、食事によって上がる「血糖値上昇の信号」によってコントロールされています。

そのため、できるだけ睡眠や食事の時間を一定にしておけば、体内時計のリズムは規則正しく刻まれるようになります。

●朝は早く起きて窓を開け、朝日を浴びるようにします。朝の光が脳へ届けられ、心身ともに目が覚めます。

●眠るのはその日のうちに。どんなに遅くても夜12時までには床に入る「シンデレラ睡眠」を心がける。

●食事は、朝昼晩決まった時間にとるようにする。

太陽の光が体内時計のボタンをリセット!

地球の一日は24時間ですが、人間が本来もっている一日の単位は25時間です。

そのため、光や音、温度が一日中変わらない環境の中で生活すると、人間は25時間ごとに寝たり起きたりするようになるといわれています。

人間以外の生き物も、1日24時間で生活するとは限らず、それより長かったり短かったりするといわれます。

人間が本来もつ、この25時間の周期を1時間短縮して、地球の24時間周期に合わせる役割をするのが体内時計なのです。

体内時計とは、「視交叉上核」という神経細胞群のことで、左右の目の網膜から伸びた視神経が、視床下部で交差しているすぐ上にあります。

直径わずか1ミリの超小型で、かつ超高性能な時計です。

この時計は、朝、目から入る強い光を感知すると、小脳の上にある「松果体」に信号を送ります。

松果体からは、「時計ホルモン」と呼ばれる「メラトニン」が分泌されています。

メラトニンには、

  • 心拍数を減少させる
  • 体温を下げる
  • 消化管の活動を下げる

といった働きがあり、それらが睡眠を促しています。

ただ、この睡眠作用は14時間後に働きます。

そこでメラトニンは、血流に乗って体の隅々まで「時間の情報」を運びます。

また、体内時計をリセットする働きもあります。

私たちは、朝太陽の光を浴びることでメラトニンの分泌を促し、体内時計のボタンをリセットボタンを押しているわけです。

体内時計がきちんと働くようにするためには、毎朝、決まった時間に起きることがいかに大切かが分ります。

体内時計のリズムを取り戻すための「5つの工夫」

① 毎朝、同じ時間に起きることを習慣づける

昼夜逆転の生活を変えるには、早寝すること以上に早起きが大事です。

毎朝、決まった時間に起きて窓を開け、太陽の光を浴びるようにします。

朝の光は脳へ届けられ、体内時計をリセットして、心身を目覚めさせてくれます。

どうしてもツラい人は、起床の時間に少しずつ明るくなるタイマー付きのライトを使ってみましょう。

部屋に日がささない場合は、室内照明をつけて明るさを強くしてもよいでしょう。

② 昼間はなるべく外へ出る機会をつくる

メラトニンは夜作られますが、それを促すためには、昼間明るいところで活動することが大切です。

そうすることでメラトニン生成が活発になります。

また、昼間にウォーキングなどで体を動かせば、寝つきもよくなります、

③ 毎日、できるだけ人と触れ合う

家に閉じこもってばかりでは体内時計は調整できません。

外出して、人と会う機会を増やせば、太陽を浴びる時間も増えます。

人と会い、話すことで、一日24時間で動いている社会のリズムを感じとることもできます。

④ 三度の食事は規則正しく、決まった時間にとる

特に朝食は大切です。

一日の始まりに、早く血糖値を上げることで、その日のリズムが作りやすくなります。

⑤ 生活の記録をつける

起床時間、睡眠時間、食事、運動、家事など、毎日の自分の行動を記録します。

そうすることで、自分の生活リズムや過眠などを見直すことができます。


 
次回、「非定型うつ病 回復のポイント ② 仕事を休むのがベストとは限らない」へ続く


 

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