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非定型うつ病ってどんな病気?【45】~非定型うつ病 回復のポイント ④ 健康的な食行動~

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うつ病になる人は年々増えていると言われており、厚生労労働省の調査では、日本の潜在的なうつ病患者の人数は600万人を超えると言われています。

うつ病患者の中でも、最近増え始めていると言われているのが「非定型うつ病」と呼ばれるニュータイプのうつ病です。

「非定型うつ病ってどんな病気?」では、専門家でも理解が不十分とも言われている「非定型うつ病」とは、どんな病気なのか?その症状や治療法などを紹介していきます。

第45回は、「非定型うつ病 回復のポイント ③ 体を動かす」の続き、「非定型うつ病 回復のポイント ④ 健康的な食行動」をみていきます。

目次

非定型うつ病 回復のポイント ④ 健康的な食行動

甘いものを食べ続けたり、体重が増えていることを軽く考えないようにしましょう。

これは生活が乱れていることのあらわれです。

食生活を規則正しくすれば生活全般が整い、病気にも良い影響を与えます。

食事は生活の核!問題点の見直しを

うつ病かどうかにかかわらず、食事は生活の核になるものです。

食事の乱れは生活の乱れていることのあらわれです。

規則正しく、決まった時間に適量の食事をとることは健康になる基本です。

添加物の入っていない新鮮な食品であれば申し分ありません。

塩分、糖分、脂肪などをとりすぎないように、バランスのとれた内容にすることが大切です。

しかし、現実には朝食抜きで、昼食や夕食はコンビニ弁当を何日も続けて食べる、というような食習慣から抜け出せない人は多いようです。

さらに、非定型うつ病の人は、過食になって甘いお菓子や菓子パンなどを「むちゃ食いする」という問題もあります。

こういった食生活をどう改善していくか?

いくつかの確度から、問題点とその対処法を考えていきましょう。

異常な食行動は心の問題のあらわれ?!

一つは、心の問題です。

食べるという行為には、心理的なものが大きく関わるため、食行動を見直すことは、自分自身を客観的に見つめるきっかけにもなります。

例えば、若い女性の異常な食行動というと「摂食障害」があります。

身体的な病気がないのに、食事がとれなくなったり(拒食症)、逆に食欲のコントロールができずに食べすぎてしまう(過食症)、といった心の病気です。

摂食障害の背景には、「痩せていない自分はみにくい」という強いこだわりがあるとされています。

では、非定型うつ病の過食の背景には、どんな心理があるのでしょうか?

それは「いつも何か口にしていないと気分が落ち着かない」という不安感です。

特に、甘いものへの欲求が強くなるのは、糖分に抑うつ感をやわらげる作用があるため、という説があります。

甘いものを食べるとインスリンが分泌され、それによって脳内のセロトニンが増加して、抗うつ薬(SSRI)を服用したのと同じ効果があらわれる、という説です。

いずれにしても、不安からくるとめどない食欲は、自分を見直す気持ちがないと克服は難しいものです。

家族も協力して、食事の献立作りや運動計画など、具体的にできることからはじめてみるのも一つの方法です。

食生活が整ってくると、生活全般が整い、それが病気にもよい影響を与えます。

病気の症状と「自覚」し対策を

非定型うつ病で、食欲亢進や体重増加があるとされる診断基準をもう一度確認してみましょう。

●週に3日以上、度を超して食べる
●1か月の間に、健康時に体重の5%以上(50キロの人なら2.5キロ以上)増えている

これを目安に、自分の食事や体重を見直してみましょう。

食欲亢進や体重増加は、健康な人でもよく見られる現象ですので見逃しがちです。

だからこそ、これは病気の「症状」なんだと自覚し、対処することが大切なのです、

【過食や体重増加への対処】

●目標を決める
自分の目標体重を設定しましょう。目安は標準体重です。
よく使われる判定法BMIは、
体重kg÷(身長m×身長m)
で計算し、「22」が標準体重です。

●体重を測る
ただし、毎日の体重推移に一喜一憂すると、だんだん強迫的になることもあります。
体重測定は、週1回でよいでしょう。
決まった曜日、決まった時間に、決まった服装で測るようにしましょう。

●記録する
毎日食べたものを記録して、自分の食事の問題点を知り、食行動を変えていくようにします。

●避ける
過食しやすい時間帯があったら、散歩などの行動を入れて避けるようにします。
食べたいという欲求が高まる前に、外出をしたり誰かに電話する、という方法もあります。

●時間を決める
食事は朝昼晩、きちんと決まった時間にとり、それ以外は食べないようにします。

●買いだめはしない
特に甘いお菓子は買いだめをせず、手元に置かないようにします。

●バランスよく
限られたものばかり食べると栄養不足になり、いくら食べても飢餓感はなくなりません。
バランスよく、さまざまな栄養素をとるようにします。

食事は家族と一緒に。自分で料理すると脳も活性化!

患者さんの中には、食欲がないのに自分では意識しないうちに食べていて、体重が増えるケースがあります。

これらの人たちは、食事の時間が決まっていないことが多く、ダラダラといつも何かを口にしています。

このような食行動を改善するためにも、食事の時間を決めて、それを守りましょう。

食事は家族と一緒に食卓を囲むことを「基本ルール」とするのも良い方法です。

そうやって生活リズムが整ってきたら、食事の支度を自分でしてみましょう。

  • 献立を考える
  • 食材を買う
  • 材料を洗ったり切ったりする
  • 下ごしらえをする
  • 火を使う
  • 味付けをみる

というように、料理は考えること、手先を使うことが一体化した作業で、そのためには脳のさまざまな部分を使う必要があります。

料理は、脳を活性化する効果もあるのです。


 
次回、「非定型うつ病 回復のポイント ⑤ 脳トレで前頭葉の血流を増やす」へ続く


 

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