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強迫性パーソナリティ障害とは② ~幼少期の厳しいしつけが原因?強迫性パーソナリティ障害発症の原因と治療法~

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前回の記事↓

強迫性パーソナリティ障害とは?① ~ルールが絶対の完璧主義者!対人関係に悩む強迫性パーソナリティ障害、5つの特徴~

自分のルールや秩序にとらわれて、柔軟な考え方ができない「強迫性パーソナリティ障害」

発症の原因は何なのでしょうか?

目次

強迫性パーソナリティ障害の原因は?

強迫性パーソナリティ障害の原因は、はっきりとはわかっていません。

ですが、幼少期の「頑張ったのに褒めてもらえなかった」経験などが強迫性パーソナリティ障害の発症に関係しているようです。

家庭内の厳しいしつけが影響しているようで、強迫性パーソナリティ障害は第一子に多くみられるという報告もあるようです。

親からの過度な期待がプレッシャーやストレスになり、発症に至ってしまうのかもしれません。

また、第一度近親者(両親、兄弟、姉妹、子供)に強迫性パーソナリティ障害の人がいると起こりやすいとも言われています。

強迫性パーソナリティ障害の治療法は?

強迫性パーソナリティ障害の方は、他のパーソナリティ障害と違い、自分で障害を自覚していて苦しんでいる人が多くおり、自分から治療を求めます。

強迫性パーソナリティ障害の治療は、全てのパーソナリティ障害に対するものと同様で、カウンセリング精神力動的精神療法認知行動療法などの心理療法が効果的と言われています。

    <li>精神力動的精神療法
    現在の思考、感情、行動における無意識のパターンを認識することに重点を置く治療法。

    <li>認知行動療法
    ものの受け取り方や考え方(認知)に働きかけて、気持ちを楽にする治療法。患者さん本人が直面している問題の原因に、患者さん自身が気づき、対処法を考え、実行できるようにするための治療法。

強迫性パーソナリティ障害の人は、完璧主義のため、日頃から不安を感じていることが多くあります。

カウンセリングや認知行動療法によって「すべてを完璧にこなさなければならない」という考え方を改善していきましょう。

強迫性パーソナリティ障害の方は、他人への信頼が強いタイプではないので、最初は医師と信頼関係を築くのに時間がかかるかもしれませんが、そこを乗り越えれば治療の効果もぐっと上がるはずです。

また、強迫性パーソナリティ障害からうつ病不安障害を発症している方も少なくありません。

その際、選択的セロトニン再取込み阻害薬(SSRI)と呼ばれる、抗うつ剤などが処方されることがあります。

周囲の人の対応

強迫性パーソナリティ障害の人は、自分のこだわりに関しては全く融通がききません。

そのため、強迫性パーソナリティ障害の人と仕事をともにしたり、長年一緒に生活している人は、本人のスタイルややり方に逆らうことをやめて、本人の流儀に合わせていることが多いです。

強迫性パーソナリティ障害の人と、うまくやっていくコツは、責任の範囲や役割分担を明確に決めてしまうことです。

そうすると、本人の秩序へのこだわりを、その役割の領域に安心して注ぎ込むことができます。

家事や子育てなど決まりや取り決めを設定することで、完璧主義や支配欲求の再現ない広がりを防ぐことができます。

そうすることで、頑張りすぎゆえの、うつ病や心身症などを防ぐことにも繋がります。

また、強迫性パーソナリティ障害の人は、自分の価値観に強くとらわれて、一面的な見方をしがちです。

パートナーや友人は、選択肢は他にもたくさんあること、どれがベストなのかは誰にも分からない、良い点悪い点もある、ということを常々思い出させてあげる必要があります。

特に子育ての場合は、偏った方針を子どもに押しつけ、完璧に育てたいあまりに、極端なことをしがちです。

一番大切なのは「ほどよさ」なのだということをアドバイスしてあげましょう。

強迫性パーソナリティ障害の人の克服ポイント

強迫性パーソナリティ障害の人は、休むことが苦手です。

休日が休日にならないことが多く、旅行に行っても細かく日程を決めて、予定通りに動き回り、リラックスすることができません。

しかし、こうしたライフスタイルの行きつく先は、うつ病や心身症です。

あとで後悔しないためにも、早いうちから生き方や考え方を少しずつ修正していきましょう。

休むの仕事のうちと考えて、100%頑張らないようにしましょう。

また、強迫性パーソナリティ障害の人は、責任感が強すぎるために、何かうまくいかないことがあると、すべて自分に責任があるように思い込みがちです。

しかし、結果というのは、さまざまな偶発的な要素や複数の人の関わりによって生じるもので、あくまでも「アクシデント」なのです。

むしろ、失敗から学ぶことの方が生産的で、自分を責めすぎることは何のプラスにもなりません。

「長い人生、努力が実を結ばない時もある」と前向きに捉えましょう。

さらに、強迫性パーソナリティ障害の人は、自分と同じ基準を他人にも求めてしまうため、対人関係がうまくいかなくなることがあります。

そういう時は、自分と同じことを期待するより、その違いの方に目を向けて、温かい目でみてあげましょう。

別の価値観を尊重することは、本人の価値観を広げ、相手を伸ばしていくことにも繋がります。

強迫性パーソナリティ障害まとめ

強迫性パーソナリティ障害の人は、自分のやり方どおりに物事を進めたい完璧主義者です。

ですが、本人も自覚していることが多いので、早めに病院などに行き治療することが大事になります。

カウンセリング認知行動療法などの心理療法に加え、場合によっては、選択的セロトニン再取り込み阻害薬 (SSRI)といった抗うつ剤などの薬物療法を取り入れます。

自分のルールや考え方を変えていくには、長い時間が必要になるのが一般的です。

じっくり腰をすえて治療していきましょう。


参考:
パーソナリティ障害 いかに接し、どう克服するか, 岡田尊司, PHP研究所,2004/5/31
強迫性パーソナリティ障害(OCPD),MSD マニュアル家庭版

 

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