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自己肯定感を高めて人生をもっと楽に!【16】 ~【自己信頼感】…自分を信じられる感覚~

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突然ですが、あなたにとって「幸せ」とはなんですか?

  • お金持ちになること
  • 玉の輿にのること
  • 幸せな結婚をして子供を育てること
  • 大きな会社に入って安定した職があること
  • 商売やスポーツで大成功して有名になること

これらの目的は達成すると嬉しいものです。

しかし、「自己肯定感」が低いと、これらの目的を達成しても幸せを感じられません。

一次的には嬉しいかもしれませんが、喜びが長続きしないのです。

「自己肯定感を高めて人生をもっと楽に!」では、自己肯定感とうまく付き合う方法を身につけ、幸せな毎日を過ごすための方法をご紹介していきます。

第16回は、「【自己効力感】…子育てがうまくいかない自分が情けない」の続き、「【自己信頼感】…自分を信じられる感覚」を解説していきます。

目次

【自己信頼感】…自分を信じられる感覚

「自己信頼感」とは、自分を信じて行動する感覚です。

アメリカの思想家、ラフル・ウォルドー・エマソンが、

「根拠のない自信こそが絶対的な自信である」

という言葉を残していますが、私たちは自分を信じぬくことでどんな困難でも人生を切り開いていくことができます。

挫折感で打ちひしがれた時も、自己信頼感を回復させれば、再び立ち上がり、やり抜くことができ、また、自己信頼感が高まっていると、自分の選択に自信が持てるので直感力が鋭くなります。

自己信頼感は、「自己肯定感の木」の【葉】の部分に当たります。

葉が光合成によって木の成長を促すように、自分を信じて、自信を持つことはあなたの人生を豊かなものにしてくれます。

自分を信じて行動すれば、たくさんの葉の芽を出すことができます。

逆に不安になって委縮すれば、枝があっても葉を生み出すことも葉の新しい光合成によって活性化することもできないのです。

あなたの人生を活性化させ輝かせるのは、あなたの自信にかかっています。

自己信頼感が損なわれてしまうと、何事にも消極的になり、挑戦することを諦めがちになります。

すると、自己効力感も失われ、当然、自己肯定感も下がってしまいます。

アドラー心理学の創設者・アルフレッド・アドラーは、

「人間は自分の人生を描く画家である。
あなたをつくったのはあなた。
これからの人生を決めるのもあなた」

と述べ、前出のエマソンは、

「自分自身に従順であれ」

とアドバイスしています。

自分に自信が持てず、周囲や世間の基準に従順でいると、いつまでもさ迷い歩くような人生が続きます。

がんばっても充実感を得られないという人は、自己信頼感がかなり低下しているのかもしれません。

自分に従順であるとは、自分に自信を持ち、自分の価値に従うという意味です。

これは、ワガママになり、好き勝手に生きるということではありません。

自分自身を信じ、従うということは難しいものです。

周囲と衝突したり、一時的に収入が減ることもあるかもしれませんが、それでも、自分の信じた道を全うする。

自分自身に従順であれば、自己信頼感は失われず、やり抜く力を発揮し、やり通すことができます。

そんな姿勢で生きる人の周りには、必ず味方が現れ、手を差し伸べてくれるようになります。

自己信頼感は、自己肯定感を支える【6つの感】の中で、最も重要な【感】だと言えるかもしれません。

【事例1】どんな行動に対しても躊躇してしまう

  • 取引先に電話をすると気、今かけていいかな?どうかな?と迷ってしまう
  • 上司に提出した書類への反応がないと、何か問題があったのかも…と気になって他の仕事に集中できない
  • 朝、家を出る時、髪型がうまくまとまらないから家を出たくなくなり、仮病を使ってしまった

これは、30代女性・Mさんの最近の悩みです。
この他にもいくつも「小さな気になる」が重なって、思った毎日が遅れと悩んでいました。
元々、内気な性格ではあったMさんですが、ここまでいろんなことが気になり、自分の意思で行動に移すことを躊躇するようになったのは最近のことだそうです。
きっかけは、人事異動でやってきた直属の上司。
押しが強い新しい上司から大きな声でミスを指導された日を境に、「またミスをするのでは」「大事な仕事でやらかしてしまうのでは…」と不安が高まるようになったそうです。
その後、仕事以外の日常生活でもささいな出来事に悩む時間が増えて、行動力がなくなった自分を実感しているそうです…。

なぜ、小さな事が気になり神経をすり減らしてしまうのか

Mさんの、電話のタイミング、髪型、上司からの返事…などの悩みを見て、「小さなことでくよくよ悩むなあ…」と思う方もいるかもしれませんが、自己信頼感が下がり、自己肯定感が低下している時は、普段は誰かに「小さなことでくよくよ悩むなよ」とアドバイスしている人でも、小さなことが気になり悩むようになったりします。

自分で自分のことが信じられない状態になると、選択に自信が持てなくなり、常に「これでいいかな?」と自問自動するようになります。

自己信頼感が下がると、些細なことが気になって仕方がない状態になり、モノ、社会生活のあらゆるものへの信頼も低下します。

自己信頼感を失うと、青い葉でも急に枯れて落ち葉のようになり、生きていくことさえもつらくなってしまいます。

しかし、実は自己信頼感が低下した時こそが、そのひとの自己肯定感を高める最大のチャンスなのです。

「すべては何とかなる」
「私はラッキーだから大丈夫」

と、思えること、小さな根拠なき自信を作り出せることが、Mさんの最大のチャンスになります。

ネガディブな思い込みを断ち切る2つのテクニック

「上司に提出した書類に返事がないのは、何か問題があったからだ…」

この心理プロセスは、思い込みからくる不安です。

自己信頼感が下がり、自分のことが信じられないため、ネガディブな思い込みを否定することができずに不安が増していきます。

このような自動思考を断ち切るには、2つの方法が有効です。

  1. ネガディブな思い込みを「ネガティブな思い込み」だと自覚すること。
  2. 「ネガディブな思い込み」を手放すこと。

Mさんがカウンセリングですすめられたのは2つ。

1つは、「課題の分離」という、「ネガディブな思い込み」を自覚するテクニック。

もう1つが、「もうやーめた!」と声に出して「ネガディブな思い込み」を手放していく「脱フュージョン」です。

どちらも使い方を覚えれば、すぐに実践できますが、狙いは、思い込みからくる不安を取り除くことで、自分を信じられる状態へと回復させ、自己信頼感を上げることです。

Mさんは、下記のような、「課題の分離シート」を使って、上司の間にある様々な問題を、上司の問題なのか自分の問題なのかに分けました。

例えば、上司の反応がない、これは上司の問題であってMさんの問題ではないので、上司の顔色をうかがうという行動をとる必要はないのです。

そして、最終的には、「脱フュージョン」「悩むの、やーめた!」を口癖にするようにアドバイスされました。

言葉の力は偉大で、潜在意識に入り込み、ネガディブな負の感情を書き換え、ポジティブな正の感情にしてくれます。

自己信頼感は大切な【感】です。

「課題の分離」で切り分け、「脱フュージョン」でポジティブな感情を作り出せば、自己信頼感は勝手に高まってくれます。

自分を信じるという自己信頼感は、木の枝が光合成をするように新しい力を生み出します。

木の葉が、嵐にあった時に全体を守るようにあなたを守ってくれますし、何かに挑戦する時には枝を覆うようにカバーしてくれます。

花が咲くようにあなたの成功を力強く押し上げ、落ち葉となっても肥料となり、どんな時もやり抜く、この先の人生の大きな糧になるのです。


 
次回、「【自己信頼感】…仕事のプレッシャーに耐えられない」へ続く


 

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